2018-01-01から1年間の記事一覧

『アルジャーノンに花束を』を読んだ

最近は中高生の頃に読んだ本を読み直すことが多い。新しい作者を開拓するエネルギーがなく、小説によって引き起こされる自分の感情の揺れ(しかもどういった揺れかというのは小説を読むまで分からない)に向き合うエネルギーがない。要するに疲れている。 馴れ…

『肩ごしの恋人』を読んだ

唯川恵『肩ごしの恋人』を読んだ。 この本を手にとったのは、タイトルが気になったとか、唯川恵が好きだとかではなく、ナツイチを買うともらえる猫のしおりが欲しかったからだ。集英社文庫がやっているナツイチ、名の売れた作者名が並び、読んだことあるタイ…

『蛇行する川のほとり』を読んだ

恩田陸『蛇行する川のほとり』を読んだ。 私にも確かに少女だった頃が存在するはずなのに、少女だった私が何を考えていたのかほとんど思い出せない。ただ、少女にはタイムリミットがあることをひしひしと感じていて、出来ることならば少女でいるうちに死にた…

『シェイプ・オブ・ウォーター』を観た

観たいけどまだ観てない!って人もそろそろいないと思うので。 『シェイプ・オブ・ウォーター』を観ました。 この映画は、言葉を話せない女性イライザと同じく人間の言葉を話せない半魚人の恋物語です。半魚人の「彼」にイライザが人間の言語を教えていき、…

『シングルマン』を観た

人が死ぬ話が嫌いだ。死は永遠の隔絶であり、悲しくないはずがないのに、誰かの死で涙を誘おうとする小説や映画が嫌いだ。 『シングルマン』は恋人を失った同性愛者の主人公の最後の一日を描く。愛する人はこの世のどこにももういないのに、愛する人の不在と…